東日本大震災に学ぶリスクマネジメント
【最終回】 これからの企業に求められるリスクセンス
本コラムは今回で最終回となります。
お読み頂きましてありがとうございました。
さて、今回は最終回ということでプロセスではなくセンスのお話をしたいと思います。リスクセンスとは、リスクに対処するための感覚であり、リスクを意識した行動を取るための感覚・スタイルでもあります。
BCPの観点でいえば「リスク想定」を日々の生活の中でできているのかということでもあります。
日々ビジネスを行っていますと取引先との話が進まずに「そんなことになるとは思いませんでした」などのフレーズが使われたりするわけですが、それは単に事態を想定する力が弱いということだけではなく、リスクが発生した時に適切に対処できない可能性を表しているとも言えます。
また、リスクセンスは日々の生活の中で醸成されるものであり、リスクセンス研修などを受けても直ぐに身に付くものではありません。
日々、自分の行動を振り返る、現在の活動がどんなプロセスを経て成果につながるのかをイメージできる環境に身を置かれているかどうかにかかっています。
このようなリスクに強い組織を作るには、管理型のマネジメントではなく、考えさせるマネジメントを行う上司がいなければなりません。
会社ルールを見直し徹底した上で、その範囲内で考え抜く社員の存在が企業の競争力の源泉となり、リスクに強い会社を作っていくのです。
【執筆者プロフィール】
株式会社ENNA
代表取締役 荒川大
企業組織におけるリスクマネジメントおよび社内規程整備に関するアドバイザリーを提供。上場企業子会社や上場準備企業などの顧問歴任。2007年より人事リスク対策、2009年よりパンデミック対策、2011年は地震停電に基づくBCP策定アドバイザリーを提供中
本件コラムは当社が毎月1回発行している会員向け情報紙「わくわく仕事人通信」に掲載されたものです。このコーナーでは、過去に掲載されたコラムの中から、情報セキュリティやリスクマネジメント、機密文書管理等に関連するコラムを厳選してお届けいたします。