東日本大震災に学ぶリスクマネジメント
【第5回】 原発事故とリスクマネジメント
3月11日に発生した東日本大震災の後、津波の被害を受けた福島原発が3月17日に水素爆発を起こし、大量の放射性物質を大気中に放出するという事故が発生しました。
その頃、私自身も地元宮城に支援物資を輸送する計画を立てておりまして、3月20日にワゴン車に物資を載せて東北自動車道を北上しました。
放射性物質が大量に舞う中を走っていたことになります。
さて、原発事故発生後、海外メディアと国内メディアでは、その影響について大きく異なる報道がされ続けています。そして3月末までに20万人以上の外国人が日本を脱出することになりましたが、最近ようやく外国人が日本に戻り始めています。
原発事故のリスクマネジメントについて、日本では「風評被害」という言葉が多用されているのですが、実際には、食品を含め「無検査」のままに安全だとしてきたこれまでの商習慣が否定されないようにと国内だけで通用する表現になっています。
もし海外と取引が行われていたり、海外への進出・輸出等を考えていらっしゃるのであれば、適切な検査と証明書をもって積極的にビジネス展開することが一番の近道となります。
海外でのビジネスを考える企業が増えている中で大手企業の動きに合わせて事業戦略を考えている場合には、やはりディスクロージャーが重要なリスクマネジメントの手段となることをご理解頂ければと思います。
【執筆者プロフィール】
株式会社ENNA
代表取締役 荒川大
企業組織におけるリスクマネジメントおよび社内規程整備に関するアドバイザリーを提供。上場企業子会社や上場準備企業などの顧問歴任。2007年より人事リスク対策、2009年よりパンデミック対策、2011年は地震停電に基づくBCP策定アドバイザリーを提供中
本件コラムは当社が毎月1回発行している会員向け情報紙「わくわく仕事人通信」に掲載されたものです。このコーナーでは、過去に掲載されたコラムの中から、情報セキュリティやリスクマネジメント、機密文書管理等に関連するコラムを厳選してお届けいたします。