東日本大震災に学ぶリスクマネジメント
【第2回】 地震災害と事業継続計画
2011年6月9日の新聞紙面にて、政府の地震調査委員会によると東日本大震災に伴う地殻変動により、糸魚川-静岡構造線断層帯にある長野県の「牛伏寺断層」、東京都西部から埼玉県にかけてある「立川断層帯」、福島・浜通り地方の「双葉断層」で大地震が発生する可能性が高くなったと発表がなされました。
主要な地震想定地域では、国や自治体によりハザードマップが公開されていますが、皆様はご覧になったことはありますでしょうか。
地震発生に伴う被害想定や避難場所、復旧計画等が記されており、該当する地域の事業継続計画(BCP)はこのハザードマップに基づき策定されるべきものです。災害対策は、災害により発生する様々な事象に対して、十分な情報と対処法、心構えを持ち合わせた人材が対処していくことに尽きるのですが、災害対策のスペシャリストがいなくても、場当たり的な対処にならないように災害対策のプロセスをできるだけ多くの社員や家族の方々に理解しておいてもらうことが重要となります。
その第一歩が事業継続計画(BCP)の策定だと言えるのです。
災害が発生した時や停電になり携帯電話がつながらなくなった時、社員は、家族は、何をすべきで、どこに向かうべきか。誰を・何を先に救助・復旧すべきなのか、また、どこに避難しておくべきなのか。
このようなことをあらかじめ決めておくことにより被害を最小限にし、復旧に掛かる時間を最小限にすることができるのです。
【執筆者プロフィール】
株式会社ENNA
代表取締役 荒川大
企業組織におけるリスクマネジメントおよび社内規程整備に関するアドバイザリーを提供。上場企業子会社や上場準備企業などの顧問歴任。2007年より人事リスク対策、2009年よりパンデミック対策、2011年は地震停電に基づくBCP策定アドバイザリーを提供中
本件コラムは当社が毎月1回発行している会員向け情報紙「わくわく仕事人通信」に掲載されたものです。このコーナーでは、過去に掲載されたコラムの中から、情報セキュリティやリスクマネジメント、機密文書管理等に関連するコラムを厳選してお届けいたします。