東日本大震災に学ぶリスクマネジメント
【第4回】 東京湾北部地震と人事・総務リスクマネジメント
東京都やその近郊を震源とする地震として「東京湾北部地震」「立川断層帯地震」「三浦断層群地震」などがあり、M7クラスの発生が想定されています。そして内閣府の防災情報のページには、これらの地震被害に関する情報が公開されています。
※内閣府の防災情報
地震被害というと建築構造物の倒壊をイメージされる方が多いのですが、実際には津波や火災による被害の方が大きく、また首都から離れた東北地方での災害復興でさえ現在のような遅れが出ていることから、もし首都直下型での地震被害が発生した場合には、復旧・復興が困難になるということも指摘されています。
さて、これらリスクへの対応を考えるためにはまず3月11日の夕方に東京都内で何が起きたのかを考えるところから始める必要があります。当時は運よく電力が確保できていましたので防犯上の安全性は確保されましたが、通信や公共交通機関が不通となった場合の事業継続や安否確認体制の構築が必要になります。
現在ではIT企業がBCP構築に対する様々なソリューションを提供していますが、どれも電力供給が前提のサービスです。復旧段階では電力供給や通信環境自体が課題となりますので、ツールだけに頼るのではなく、社員一人一人のリスクセンスの向上も目指して頂きたいところです。
※東日本大震災に伴う労働基準法等に関するQ&A(第3版)
【執筆者プロフィール】
株式会社ENNA
代表取締役 荒川大
企業組織におけるリスクマネジメントおよび社内規程整備に関するアドバイザリーを提供。上場企業子会社や上場準備企業などの顧問歴任。2007年より人事リスク対策、2009年よりパンデミック対策、2011年は地震停電に基づくBCP策定アドバイザリーを提供中
本件コラムは当社が毎月1回発行している会員向け情報紙「わくわく仕事人通信」に掲載されたものです。このコーナーでは、過去に掲載されたコラムの中から、情報セキュリティやリスクマネジメント、機密文書管理等に関連するコラムを厳選してお届けいたします。