リスクマネジメント 第1回|機密文書(廃棄/処理)なら抹消仕事人

リスクマネジメント 第1回

東日本大震災に学ぶリスクマネジメント

【第1回】 東日本大震災を振り返って

3月11日14時46分、太平洋三陸沖を震源とするM9.0(最大震度7)の大地震が発生しました。

この震災では地震による建物や人的被害は多くありませんでしたが、本震で傷ついた建物が余震により損壊するなど長期的な被害が見受けられました。
また、各地で液状化現象によりインフラが寸断された場所も多数発生しました。

さて、東日本大震災の被害で最も大きなものは津波です。
宮城県仙台市では倒壊する建物はほとんどありませんでしたが、地震発生後次々と津波が発生し、仙台市では海岸から10km付近まで到達しており、東京都内でも河川の逆流などが見られました。

経営上のリスクとしては、地震発生直後からの通信インフラに障害や携帯電話における7割~9割にのぼる発信規制が挙げられます。
安否確認を行うにも固定電話・携帯電話双方での連絡が取れず、震災時はTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアによる連絡が盛んにおこなわれています。
東日本大震災
また停電が続いたことにより電力が必要とされる一般的な電話機が使えず、通信基地局への電力供給が途絶え、更に移動基地局はガソリン不足で復旧に向かえない状況が続くなど、通信復旧にはかなり時間がかかりました。
これらの状況から事業復旧に必要な情報収集が困難になることが明確であり、通信手段の複線化、安否確認システムの導入、そして社員一人一人が自分自身の安全を確保する危機対応の準備が最低限求められるものと考えるのです。

荒川先生

【執筆者プロフィール】

株式会社ENNA
代表取締役 荒川大

企業組織におけるリスクマネジメントおよび社内規程整備に関するアドバイザリーを提供。上場企業子会社や上場準備企業などの顧問歴任。2007年より人事リスク対策、2009年よりパンデミック対策、2011年は地震停電に基づくBCP策定アドバイザリーを提供中


本件コラムは当社が毎月1回発行している会員向け情報紙「わくわく仕事人通信」に掲載されたものです。このコーナーでは、過去に掲載されたコラムの中から、情報セキュリティやリスクマネジメント、機密文書管理等に関連するコラムを厳選してお届けいたします。