機密文書を処理する際に最重要事項がセキュリティです。

機密文書の処理を業者に委託する場合を考えると、情報抹消を専門に行っているシュレッダー処理工場を自社で所有している業者が最も安心です。

シュレッダー処理の場合、情報が読み取れなくなるところまでシュレッダーをかけてからリサイクル原料として使用することになります。セキュリティ対策が十分に行われている情報抹消の専門工場において、徹底管理のもとでシュレッダー処理を行うので、セキュリティの信頼性が高いと言えます。回収から処理まで外部委託をすることなく、一貫して行うことで、情報漏えいのリスクをシャットダウンできるのです。

機密文書を溶剤で溶かして再生原料にする溶剤処理はシュレッダー処理に比べてセキュリティが高い印象を受けますが、必ずしもそうではないことを知っておく必要があります。

最大の懸念は機密文書の回収業者と溶解処理の工場を所有する企業が異なってしまうということです。機密文書の回収業者は、いわば搬送部門しか請け負いません。最も重要な処理の工程は製紙メーカーにて実施されます。しかしながら、一般の製紙メーカーの工場に対して、情報抹消を最優先に工場を稼働させることはできません。そもそも工場の目的が異なるからです。

また、溶解処理工場は紙製品を製造するメーカーの工場であり、セキュリティ対策のレベルは機密文書の処理を目的とする情報抹消の専門工場とは大きく異なります。製紙メーカーにとっては機密文書であっても一般の古紙であっても原材料として同じように扱われる可能性があります。多くの場合、一時保管しておく環境も機密文書にふさわしいセキュリティレベルではありません。

溶解処理の場合、回収業者と処理企業が異なり、機密文書が廃棄されるまでに複数の企業が関わるので、その分セキュリティは下がることになります。時間がかかることも同様に情報漏えいのリスクを抱えることになります。シュレッダー処理と溶解処理ではセキュリティの信頼度に違いがあるのです。